悲しい女たち
つぎの例によると当時の警察の偏向ぶりがより明らかとなります。
大阪新聞社第6589号の雑報欄内「紡績工女誘拐者の強姦」と題する記事は、男工5人が共謀して紡績工女を誘拐し強姦した顛末について記しています。
男工たちは会社の見張り役でした。
工女5人の親は同事件に対し、総代を選び堺署に保護を願い出ています。
同署から高田警察署に照会したところ、5円の前金を借りているのでこれを返済しなければ連れ帰ることはできないが、貧者のことで5円を出せずようやく4円にまけてもらい、諸道具を売り払い金を揃え、去る10日やっと救出することができたといいます。
このことが北署の知るところとなり加害者の捜索に着手し、男工4名を捕えたが、まだ1名は行方不明です。
この事件に対する大阪警察の回答もまた紡績会社に有利な内容のものでした。
・・・すなわち前記3人の男工のうち1人は、ひそかに工女の寝床に忍び入り、情欲を遂げましたがこれは強姦ではなく和姦であるとするものでした。